産地でする買い物
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陶磁器の産地でする買い物

 

 特別な買い物

窯場を訪れたとき土地のものを買うことがあります。これは実際に作品が焼かれている窯が望ましいと思います。私は陶芸作家や窯元を訪れることが多いです。なぜならば、いくら名産地の作品とはいえ量産品には魅力を感じないからです。

 

窯と販売所が離れていることもありますが近隣にあるケースがほとんどです。

 

お店は商売をしていますので、電話番号は比較的簡単に知ることができます。窯焚きや展覧会での出張など、繁忙期には臨時休業も十分にありえますので、事前に電話を入れておくとよいでしょう。

 

そこで店員に話を聞くわけですが、作り手自身が店員なこともままあります。ここでしか買えないものが欲しいと伝え、作品があれば親切に対応してもらえます。

 

たとえば京都に行ったとします。窯を見学させてもらい作品も見せてもらったとします。

 

こうした作品は府内の共販店、近隣の奈良や大阪に出荷されていることも十分ありえます。しかし東京で買えないものであれば、私にとってまずは有難いのです。次に正規品は全国のギャラリー・百貨店で手に入ることもあるので、例えば日用使いの作品でここでしか買えない作品をあたってみます。

 

あるとすれば数も少なく桐箱がないものも当然あります。なお略歴にサインでももらえれば、これも思い出になりますので有難い話です。実際に旅先でこのように求めたうつわがいくつもあります。

 

それは略歴とパッキンで包まれた汲み出しであったり、店舗名が入った袋と椀、中には土を分けて下さった方もいます。旅先の写真は思い出せない場所もあったりしますが、作品や土は絶対に忘れません。

 

 旅の思い出

しかもその作品について詳しく話してもらえます。その思いも工夫も目の前の作品に詰め込まれているのです。この一次情報は販売店から聞く話とは比べものにならない価値があります。作品の生まれた場所で当人と作家との間で交わされる生きた会話です。

 

あとは地元の情報を教えてもらうこともあります。

 

手持ちのガイドブックを見せると一笑に付されることがあります。これは食べときなさいとかあの窯跡は見た方がいいとか、どこそこには陶片が落ちてるよとか蛇に気を付けてねetc。手書きでも最高のガイドブックができるはずです。

 

仮にその料理が残念だったとします。窯跡は立ち入り禁止になっていたとします。陶片どころかペットボトルしかなかったとします。蛇がいなくてガマガエルがいたとします。それでもツアーパックの退屈な旅行とは一線を画します。あなたにとって忘れがたい思い出になるはずです。

 

その産地で作品を選ぶことは○○に来たら△△焼!という紋切り型のススメではありません。現地の作り手と作品をじかに知り、生涯忘れえぬ体験をすることなのです。

 

 

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