うつわの選び方
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うつわの選び方について

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陶磁器の選び方

暮らしの中のうつわたち普段私たちが使う陶磁器にはどんなものがあるでしょうか。それは人によって違いますが、毎日抹茶を飲む人ならば抹茶椀、料理を楽しむ人なら平皿かもしれません。あるいは晩酌が欠かせない人にとっては酒器が大切でしょう。花を挿して楽しむ人は毎回同じ花器だと、時には別の花入が欲しくなるかもしれませんね。いずれにせよ、自分が心から気に入ったうつわを使う時は心躍る瞬間でもあります。日用使いのうつ...

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陶芸作家で選ぶ

現代陶芸作家陶芸作家の魅力はその独自性にあります。誰のものか一目でわかる作品は、かけがえのない一品といえます。陶芸作家と呼ばれる人々は数えきれないほどたくさんいます。しかしその中で自分が知らない作家と作品を探すのはじつに楽しいことでもあります。そのうえ気に入った作品に出会えた時にはこの上ない喜びがあります。未知の作家を知るきっかけは取扱店のほか広告や雑誌、展示会、インターネットなど多岐にわたるはず...

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ぐい呑みの魅力

ぐい呑みの人気がある理由ぐい呑みはコレクターが多いことで知られます。確かにぐい呑みは種類が豊富なうえ場所を取りません。価格が比較的手ごろなことも人気の理由でしょう。ただし某オークションで500万の値が付いたぐい呑みも実在します。これはある物故作家の作品です。さらに数が少なく質が良ければより高価なぐい呑みがあるのも事実です。こうした例を除けばぐい呑みは比較的集めやすいといえます。また、ぐい呑みはその...

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徳利の魅力

徳利の形は大きく分類しても約20種類の徳利が存在します。細かく分類すればその種類は無数に存在します。徳利は酒器の中でも人気が高く、ぐい呑み同様コレクターがいるほどです。徳利と一口にいっても形や使い勝手が違います。ものによっては酒の味も変わってきます。徳利はぐい呑みよりも容量が大きく酒をためておく時間も長くなります。したがって、日本酒など味にこだわる人は徳利をより慎重に選ぶ場合が多いと思います。たと...

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備前の瓢徳利(ひさごとっくり)

瓢箪型についてこの形は瓢箪(ひょうたん)の実に似ていることから名付けられました。徳利をはじめ棗(なつめ)や陶製の茶入、建水や水指などの茶道具にもよく見られる形といえます。また、中国では葫蘆(ころ)と呼ばれる形で、瓢箪はたくさん実をつけることから「多産」をあらわし、下が広がる末広型により「運が開ける」「子孫万代(繁栄)」の象徴として知られます。たとえば酒器や茶器以外にも神社のお守り(子宝祈願)であっ...

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鶴首徳利(つるくびとっくり)

鶴首徳利について鶴首徳利(つるくびとっくり)とは首の部分が細長い徳利のことです。鶴の細長い首に例えられた呼び名で、別名 首長徳利ともよばれます。代表的なものは焼き締めの備前のほか、有田・伊万里などの磁器にもみられる器形です。特に備前の鶴首は胡麻(ごま)・火襷(ひだすき)・桟切り(さんぎり)など、窯の炎による土の変化(=窯変:ようへん)を楽しめる点でおすすめです。底から肩までは丸みを帯びた形で、首は...

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らっきょう徳利

らっきょう徳利とは徳利の中でもらっきょう型は比較的なじみのある形です。ひょうたん型の瓢型(ひさごがた)とともに、らっきょう型は徳利の代表的な形のひとつといえます。底から見ていくと腰から胴のあたりが膨らんでいます。そして上に行くにしたがって肩・首と次第にすぼまっていく形になります。この形がらっきょうに似ていることから、らっきょう徳利と名付けられました。この画像は無地唐津の作品となります。灰釉の流れが...

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芋徳利

芋徳利について芋徳利(いもどっくり)とは形による呼称で、芋のように膨らんだ胴が名の由来です。主に古備前に見られる器形で中~大型の作例がよく見られます。したがって酒器として使うだけでなく、花入として使うにも程よいサイズといえます。高さ25cm、胴幅は約12cm徳利として使う場合は相当な量が入ります。一人では到底まかないきれない酒量なので大人数で飲むサイズでしょう。この姿は典型的な芋徳利の形です。首は...

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井戸茶碗の魅力

井戸茶碗は高麗茶碗の一種です。高麗茶碗とは朝鮮半島から渡来した茶碗を指します。これらは高麗王朝のあと、李氏朝鮮時代(1392年~1910年)に作られたものです。16世紀はじめには日本に渡来し、時の戦国大名や茶人・豪商たちを虜にした名物として現代に伝わります。また、現代作家による抹茶碗をはじめ、ぐい呑みや汲み出しも各地で作られています。現代作家の井戸茶碗。使って育てる楽しみがあります井戸は茶椀の最高...

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釘彫り伊羅保 | 伊羅保(いらぼ)茶碗

伊羅保茶碗について伊羅保(いらぼ)茶碗は高麗茶碗の一種です。高麗茶碗は朝鮮半島で作られた茶碗の総称で、16世紀ごろから日本に持ち込まれています。その中でも伊羅保の渡来はやや後で、17世紀初頭に日本から注文された「注文茶碗」と考えられています。よって当時の日本人の美意識と、使いやすさを反映させた茶碗ともいえるでしょう。伊羅保は鉄分の多い土に鉄釉が薄くかけられています。手触りはザラついた感触で、釉調が...

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蹲(うずくまる):信楽の小壺

蹲について蹲(うずくまる)は花入に転用された壺です。古信楽や古伊賀のものがつとに有名ですが、備前や唐津にも蹲の小壺が伝世します。名の由来は人が膝をかかえてうずくまるような姿からきています。もともとは穀物の種壺や油壺として使われた雑器を、茶人が花入に見立てたものです。文献によれば江戸時代に入ると蹲という呼称が定着しています。なお信楽の蹲は古いもので鎌倉末~室町時代から伝世しています。おおむね20cm...

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織部(おりべ):絵織部

織部焼と古田織部織部焼(おりべやき)は岐阜県東濃地方で焼かれた陶器の一種です。その発祥は慶長年間(1596年~1615年)までさかのぼります。当時は安土桃山時代から江戸時代のはじまりという過渡期にあたり、豪華絢爛な桃山文化が花開いた時期でもありました。土岐市の元屋敷窯は美濃で最初の連房式登窯といわれ、この窯を主体に美濃一帯で織部焼が作られます。元屋敷窯跡。織部生産における主導的役割を担った古窯名の...

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斑唐津(まだらがらつ)

斑唐津とは斑唐津(まだらがらつ)は唐津焼の一種で白濁した藁灰釉(わらばいゆう)を用います。唐津焼が焼かれはじめた16世紀後半から現代まで作り続けられています。器種は酒器・食器・花器・茶陶など多岐にわたりますが、中でもぐい呑みや茶碗の人気があるといえます。藁灰釉の表面が斑状になることから斑唐津と呼ばれます。この黒い斑点は素地の鉄分によるもので、藁灰の斑文の中でアクセントになっています。どの面から見て...

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皮鯨(かわくじら)

皮鯨とは唐津の茶碗やぐい呑みに見られる装飾のひとつに皮鯨(かわくじら)があります。これは口縁部に黒い縁取りをあしらったものです。名の由来は口縁部の黒を鯨の皮(背中側)、うつわ本体の白~灰色を鯨の身(腹側)になぞらえたことによります。この黒色は鉄絵具によるものです。その上に釉薬をかけて焼くと、鉄分が黒く発色して浮き上がってきます。この作品は線の太さと細さによってうつわの表情に動きが出ています。鉄絵は...

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朝鮮唐津

朝鮮唐津について朝鮮唐津(ちょうせんがらつ)とは唐津焼の一種で、黒釉と白釉をかけ分けた作品を指します。黒釉は鉄分を含む「鉄釉」であり、白釉は乳濁する「藁灰釉」が典型例といえます。古くは桃山時代の伝世品から見られる作風です。現代でも数多くの朝鮮唐津が作られ、黒と白の美しいコントラストが特徴です。ちなみに朝鮮唐津の名の由来は定かではありません。一説によれば「胎土を朝鮮半島で作り、施釉と焼成を唐津で行っ...

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蛇蝎唐津(じゃかつがらつ)

蛇蝎釉と刷毛目(はけめ)の装飾蛇蝎釉(じゃかつゆう)とは鉄分を含む黒釉に、藁灰(わらばい)や長石など白濁する釉薬をかけたものです。古陶磁の世界では17世紀の文献から記載があります。たとえば蜥蜴色(トカゲいろ)の瀬戸茶入や中国から渡来した唐物茶入れなどです。国内では瀬戸・美濃がその発祥とされていますが、こうした景色の蛇蝎釉は唐津焼や薩摩焼にもよく見られます。蛇蝎唐津が長石釉を用いているのに対し、薩摩...

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黒唐津

黒唐津:色のバリエーション黒唐津(くろがらつ)は黒~茶褐色に発色した唐津焼の一種です。この黒色は鉄分を含んだ鉄釉(てつゆう)が用いられますがその色調はさまざまです。その黒色は朝鮮唐津で使われる飴釉(あめゆう:褐色に発色する鉄釉の一種)の例が分かりやすいでしょう。黒色の中に茶褐色・黄褐色を呈する複雑な色彩があります。一概に「黒」と言い切れない深い色調が黒唐津の特徴です。ただ仕組の話をすれば、釉薬の中...

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南蛮焼き締め

南蛮焼について南蛮焼(なんばんやき)とは東南アジアから渡来した陶器のことを指します。古くは16世紀にはじまった南蛮貿易によって日本に渡来しました。「南蛮」という言葉は当時の日本国以外を指す蔑称でもあった一方、自国にない珍しい物を表す言葉でもありました。南蛮焼として輸入された陶器の産地は、中国南部やベトナム、フィリピン諸島やインドの一部などです。これだけ広範囲に渡っているため、個々の作風は異なります...

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粉引(こひき)

粉引とは粉引(こひき)のはじまりは15~16世紀に朝鮮半島で焼かれた白色系の陶器です。当時は李氏朝鮮(李朝:1392年~1910年)の統治下にあり、白色の化粧土を主体とした作品群は粉青沙器(ふんせいさき)と呼ばれます。代表的な粉青沙器には粉引のほか、白土装飾したうえに青磁釉をかけた一部の青磁、白土装飾を削った部分に別色の土をはめこむ象嵌粉青(ぞうがん ふんせい)、白土装飾をかき落とした三島手(みし...

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伊賀ビードロ(自然釉)

伊賀のぐい呑み伊賀焼は16世紀後半から現代まで茶陶をはじめ様々な陶器がつくられています。信楽と山ひとつ隔てた三重県の窯業地で、16世紀以前からも窯業自体は行われていた歴史ある産地です。伊賀焼のひとつの魅力は古来から伝わるビードロ釉があります。これは燃料である薪の灰が降りかかった自然の釉薬(自然釉)とされます。ビードロ(vidro:ポルトガル語)とはガラスの事をいい「硝子」の字が当てられます。ビード...

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山茶碗

山茶碗とは山茶碗(やまぢゃわん)は11世紀ごろの常滑や瀬戸周辺のほか、東海地方西部で焼かれた日用雑器のことです。日用品として大量に焼かれた山茶碗は、須恵器の窯の技術を広めた伝承をもつ僧「行基」の名をとって行基焼(ぎょうきやき)ともよばれます。集落部のほか山中の廃棄場所である物原(ものはら)からも大量に出土したことが名前の由来とされます。はじめは高台のあるものが出土していますが、13世紀ごろからは高...

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柿の蔕(かきのへた)

柿の蔕の特徴柿の蔕(かきのへた)は15~16世紀に朝鮮半島から渡来した高麗茶碗の一種です。抹茶碗として珍重された経緯があり、その形と釉調が特徴です。現代では茶碗のほかぐい呑みや花器などバリエーション豊かですが、「柿の蔕」といえば一般的に椀形のものが該当します。土をみると砂粒や小石が混ざっています。砂礫は白く細かい粒として景色をなし、飛び出しそうな小石は器面のひびとなって素朴な土味を引き立てています...

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三島(みしま)

三島のうつわ三島(みしま)とは李氏朝鮮時代に、朝鮮半島から日本に渡来した陶器のことです。分類上では、三島は粉粧灰青沙器(ふんしょうかいせいさき)と呼ばれる一群に属します。粉粧灰青沙器は、略称を粉青沙器(ふんせいさき)ともいい、15~16世紀に朝鮮王朝下で作られた白土を装飾に使った陶器を指します。もともとは朝鮮半島で作られた、白い装飾の椀や皿が日本に渡り、桃山時代の茶人が抹茶碗に転用した三島茶碗など...

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米色青磁(べいしょくせいじ) | 二重貫入

米色青磁とは米色青磁(べいしょくせいじ)は稲穂のような色合いからそう呼ばれます。淡い黄褐色をおびた釉調が美しく、青・緑色に発色する本来の青磁と区別されている場合がほとんどです。釉薬は青磁と同質、もしくはやや透明性の高い青磁釉が用いられます。青磁釉は植物の灰(または石灰もある)と土石類を調合して作られます。還元焼成することで青・緑色の発色が得られる青磁に対し、米色青磁は酸化焼成で黄褐色に発色します。...

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青白磁(影青:いんちん)

青白磁は白磁の一種?中国に起源をもつ白磁は、遅くとも17世紀には日本に技術が伝播しました。その白いうつわの生産に成功すると、白磁は新たなやきものとして市場を席巻し、現代もなお多くの陶芸家によって白磁が作られています。白磁と青白磁の違いについてはその色といえます。どちらも白色の素地を使って透明釉をかけて焼くわけですが、透明釉に含まれる微量な鉄分が青く発色したものを青白磁と呼びます。ただ白磁も青白磁も...

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蕎麦釉(そばゆう)のうつわ | 茶葉末釉

蕎麦釉とは蕎麦釉(そばゆう)は鉄釉の一種で緑~黄色に発色します。日本では蕎麦釉と、中国では茶葉末釉(ちゃようまつゆう)と呼ばれます。その発祥は7世紀の中国(唐の時代)までさかのぼります。緑色と黄色が混ざった釉薬は蕎麦の実のようにも見えます。または茶葉の粉末の色にも見えてきます。こうした釉調から蕎麦釉・茶葉末釉という名前が付けられました。釉薬自体は灰釉に鉄分を加えたもの、鉄化合物を主体としたものでポ...

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銀彩のうつわ

銀彩について銀彩とは銀を用いて装飾する技法および作品のことです。一般的には銀箔(ぎんぱく)や銀泥(ぎんでい)を塗った作品がこれに該当します。色絵や色釉との組合せで色彩豊かなうつわが出来あがります。この作品は鉄釉に銀彩を施した一例です。黒・柿色に発色した鉄釉のうえに銀泥で絵付けをしています。魚文の青釉はソーダを含むアルカリ質の釉薬で、微量な酸化コバルト(もしくは酸化銅)の青味が鮮やかですね。アルカリ...

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高台の遊び心

高台の見どころについて高台は底の部分ですので、普段あまり気にかけない箇所でもあります。しかし高台はうつわを支える大切な土台であり、作者の遊び心やこだわりがあらわれています。そして椀形の作品においては全体の造形バランスにも影響を及ぼします。特に茶碗では重要な見どころのひとつであり、高台の良し悪しは作品の出来・不出来にもつながります。もし茶碗の見込や本体が素晴らしくても、土台となる高台が今ひとつならば...

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片口の魅力

片口について片口(かたくち)とは口縁の一部に注ぎ口のついたうつわのことです。口縁部の片側に注ぎ口があることから片口と呼ばれ、鉢や壺のほか大型の甕にも見られる器形です。片口は古いもので縄文土器や弥生土器にも見られる馴染みのある形状です。一般的な用途は酒などの液体をそそぐ注器、液体を計量して注ぐための計器のほか、普通に食材を盛るうつわとして広く普及しています。作品を見るとその注ぎ口が全体の中でアクセン...

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