楽茶碗の作り方1 | 型おこし

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楽茶碗の作り方1 | 型おこし

 

 なぜ型おこしが必要なのか?

型おこしは楽茶碗の土台を作る作業です。赤楽・黒楽ともに同じ形の筒形にして、室(ムロ)で1〜2日保管します。ムロとは密閉した乾燥室のことで、作品全体の水分量が均一になります。

 

密閉状態ですから、作品の厚いところの水分が適度に抜け、作品の薄いところに水分が回るわけです。たとえば乾燥した部屋の片隅に加湿器があれば、最終的に部屋全体の湿度が均等になりますね。

 

成形直後に腰を立ち上げると、まだまだ粘土が柔らかい状態です。つまり厚い底の部分に水分が多く、薄い口縁部は水分が少ないです。ムロに放置しておくと底の水分が抜けて、口縁部などに水分がまんべんなく行きわたります。

 

作品全体の水分量が落ち着けば、腰など湾曲した箇所の成形がうまくいきます。これが本成形前に型おこしという一手間をかける理由といえます。

 

なおムロは発泡スチロールを使いましたが、プラ容器や木箱など密閉できる容器なら問題ありません。作品を安置するさいは濡れたスポンジを入れておくとよいです。ここでは乾燥させるのではなく、あくまでも内部の水分量を均等にすることが目的です。

 

水分量が均等になると土全体を動かせますので、型起こし・ムロでの乾燥後に本成形となります。この工程を省いて本成形すると、水分の多い腰の部分が上手く成形できません。土が柔らかい状態で腰を立ち上げても、乾燥する間に作品の重みで角度が変わります。

 

乾燥後の硬い土で、腰の角度を変えるのは加水や手直しなど何かと時間がかかります。型おこしと1〜2日の期間を設けることで、後々の成形がやりやすくなると考えます。

 

乾燥による腰の変形

 

楽茶碗は腰づくりが特に重要なので、手間をかけても昔ながらの方法で作ります。筒形の土台はどのような形にも動かせますので、まずは型起こしで基本形である筒形を作ります。これは楽茶碗に限らず、手びねりで作るさまざまな作品の腰づくりに応用できます。

 

 

 型おこし:筒形に成形する

700gの球状にした粘土(信楽ロット土7割:原土「J」 3割)を平らにつぶし、垂直に立ち上げていきます。作品の厚みを揃えておくと水分量が均一になりやすいので後々よいと思います。

 

ほかに用意するものは土を載せる亀板(かめいた)、もしくは手回しロクロでもよいです。あとは加水するための洗面器とスポンジが必要です。

まず平らにつぶした粘土の中心を、叩き道具を使って締めていきます。締めるところは底になる部分ですので、しっかり叩いておくと土台が安定します。

 

次に側面を立ち上げていきます。両手の親指・人差し指・中指で粘土をつまみ、寄せていくと自然に高さが出ます。これは玉づくりにも言える基本的な動きで、両手の間隔は広げすぎず2cmほどの間隔だと作業しやすいです。

 

立ち上げは垂直の筒形になるよう、途中からは指を伸ばして作業するとよいです。また指を伸ばす(=面にする)ことで厚みも均一になりますので、「垂直・均一な厚み」を意識します。

 

一通り成形できたら確認事項は2つです。底が締まっているか再度確認(叩いて締める)、上からみて垂直に立ち上がっている(指を伸ばして成形する)ことが肝要です。

 

最後に大きなひびを埋めて作業完了です。口縁部・側面・底をみて大きなひびがあれば、スポンジで軽く加水して土を締めます。小さな表面のひびは後の工程で削るため問題ありません。しかし大きなひびは内部にも届いてしまうので、土を締めてひびを埋めましょう。

 

土を締めるとサイズが一回り小さくなるはずです。動画の例では「直径11cm、高さ8cm、底の厚さ2cm。そして側面の厚さは8mm」になりました。本成形後に大きさの比較ができるよう、この段階でのサイズを記録しておきます。

 

ムロで1〜2日保管したら本成形の工程に進みます。適度な水分量になれば本成形と削りを同時にできるでしょう。

 

次の工程へ:成形

 

 

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