うつわの使いはじめに
作品を手に取って接地面にザラつきや凹凸がないか再度確認します。
もし引っかかる感触があれば敷物や机を傷めないよう目の細かいサンドペーパーで磨きます。この画像のように角材にペーパーを巻き付けると余計な所を傷つけず磨きやすいです。
あくまでもザラつきを取るのが目的なので400番以上の細かいペーパーが良いでしょう。問題ない部分を傷めないよう丁寧に磨きます。
使いはじめは水
次に吸水性のあるうつわは必ず水を含ませてから使います。
たとえば料理をする場合は仕込みをしながら水を張った容器に食器たちをつけておきます。これで貫入や胎土に水が浸透して料理の油や臭いが染み込みにくくなります。
水につける程度はものによって異なります。陶器・炻器は吸水性があるので水につけます。磁器も吸水性が0%ではないのと埃を払う意味で水をくぐらせます。
中には水を吸って貫入の色が変わる作品があります。この画像は上半分だけ水をつけたものです。照明は真上からですが、上半分には水が染み込んで色が変わっています。このようなうつわは吸水性が高いので、色が変化しなくなるまで水につけておきます。
以前、この茶碗を水につけず使ったところ貫入に抹茶が入り込んで色がつきました。茶の匂いもしばらく落ちません。これが真っ白な料理皿についた油染みや醤油の跡だったら見た目は悪いでしょう。
水を吸えない状態で使えば、うつわを長くきれいに保つことができます。