銀継ぎの手順4:粉固め
銀継ぎの手順4:粉固め
本工程は銀粉をつけて乾燥させたうつわの粉を、漆でしっかりと定着させる「粉固め」の工程です。ここでの作業ボリュームは全くありません。ムロに入れて1~2日乾燥させる工程があるので、粉固めから乾燥までの説明となります。
粉固めで必要なもの
左から銀粉を施したうつわ、蒔絵筆、上ずり漆、銀をはらう筆(もしくは刷毛)、プラスチック製の下敷です。
1.上ずり漆を塗る
まずは余分な銀粉を筆で払い落として回収します。筆はうつわに軽くあてて銀粉をやさしく落とす程度の力で十分です。もっとも大切なことは上ずり漆を薄く塗ることです。厚く塗ってしまうと漆の乾きがおそく均一に乾燥しません。また、磨きに時間がかかるうえ漆の割合が多くなるので銀の輝きが不十分になります。
銀粉はしっかり定着させたいので、粉のある部分はまんべんなく塗ります。ただし漆を塗ったところをティッシュか綿棒でそっと上ずり漆を吸い取ります。こうすることで最低限必要な漆が補充されて銀粉同士がしっかりと接着されます。
漆をふき取った回りが汚れますが後できれいにできるので問題ありません。まとめますと「上ずり漆を薄く塗ったあと、ティッシュか綿棒で余分な漆を吸い取る」という作業です。
時間的には漆を塗ってから2~3分ほどで吸い取ってよいです。吸い取る度合いはティッシュで押さえて漆がつかなくなる程度、つまり必要最低限の漆を残して、あとは全て吸い取るつもりで行います。これで最後の仕上工程で銀粉がしっかり接着した状態、かつ漆が薄いおかげで適度な磨き作業で銀が露出する準備がととのいました。
2.ムロで乾燥させる
ムロに入れて1~2日間乾燥させます。乾燥後は次の磨きの工程で終了です。