陶磁器に電子レンジは使わないで下さい

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大切な陶磁器に電子レンジは使わないでください

 

ワンタッチで加熱できる電子レンジは便利な反面、陶磁器にダメージを与えます。レンジ対応の陶磁器もありますが、熱耐性が高いだけで厳密にいえば熱の影響をしっかり受けています。

 

 電子レンジの仕組み

電子レンジはマイクロ波という電磁波を使って加熱しています。マイクロ波を浴びた物質はそのエネルギーにより温度が上がります。

 

たとえば食品に含まれる水分が代表的なもので、水の分子が振動することで温度が上がります。つまり食品を温める場合は、食品中の水分をもっぱら加熱していると考えてよいでしょう。

 

これを陶磁器に置き換えると水を含む箇所がまず加熱されます。たとえば貫入に吸収された水分や、胎土に残った湿気も加熱されていきます。

 

また、食材を盛った状態ならばその水分を介して表面が熱を帯びるわけです。食材の油や調味料は貫入の隙間から胎土に浸み込むこともあります。こうなると洗っただけでは取り除けない汚れになります。

 

もともと高温で焼かれた陶磁器には熱耐性があります。しかし短時間で急激な温度上昇に耐えられないものがあります。というのも陶磁器は長い時間をかけて徐々に温度を上げて作られるからです。焼成工程で一気に過熱すれば程度の差はあれ陶磁器は破損します。

 

それに対して、電子レンジは数秒で100℃を超える熱量を照射できます。そのためレンジによるトラブルが発生するのです。

 

 電子レンジ対応の陶磁器

これらのことから主なトラブルの原因は「水分と急激な加熱」にあるといえます。逆にいえば「水分がない=吸水性がない」「急激な温度変化に耐えられる」ものが電子レンジ対応製品といえます。

 

・水分について:吸水性のない(吸水性が0に近い)磁器が適しています。要件は吸水性を少なくすることなので、1,200℃〜1,300℃の高温で焼き締めて素地の緻密度を高めることです。いっぽう陶器は高温で焼き締めても多孔性で水を吸いますので、急激な温度上昇で損壊する可能性があります。これは陶磁器を作る際、乾燥が不十分なまま素焼きすると起こる「水蒸気爆発」と同じ原理です。

 

・温度上昇について:レンジ対応品は、温度変化に対する耐性試験が実施されています。JIS規格には環境試験がありますが、この中の「熱衝撃試験」が代表的なものです。これは低温帯と高温帯で急激な温度変化を与える試験です。

 

たとえば磁器を20℃の水でじっくり冷やしたとします。それを取り出し200℃の乾燥室に入れて乾燥させます。これで破損がなく強度が変わらなければ、温度差は180℃なので「180℃の耐熱衝撃性がある」と表現されます。

 

 色絵・金銀彩も電子レンジ不可

うつわ本体は問題なくても装飾が熱に耐えられない場合があります。代表的なものには色絵具で施した「上絵」や、金や銀で装飾を施した「金彩・銀彩」が挙げられます。

 

上絵は釉薬の上に絵を描きますのでマイクロ波をじかに吸収します。金銀彩も同様で釉薬の上にあるものは効率よく熱を帯びてしまいます。

 

そして熱による変質・変形だけではなく、最悪の場合はバチバチ音を立てて焼け焦げてしまいます。釉薬の下に施されたものでも変色するおそれがあるため電子レンジには使えません。

 

以上をまとめますと「吸水性のある陶磁器」「上絵・金銀彩」は電子レンジ使用不可となります。電子レンジ対応の製品とうまく使い分け、大切なうつわと末永く付き合っていければと思います。

 

 

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