陶器と磁器の違い

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陶器と磁器の違い

 

粘土質の違い

陶器も磁器も材料の見た目はただの粘土です。この粘土を素地(きじ)、もしくは胎土(たいど)といいます。

 

陶器の素地は有機物を含む「土」からできている一方、磁器の素地は「石」(陶石)を砕いたものや有機物の少ないものからできています。そのため素地の色は陶器が有色(茶色〜褐色)なのに対して、磁器の素地はほぼ白色に近くなります。

 

この違いから「陶器は土もの」「磁器は石もの」と区別することができます。

 

 原材料について

どちらの素地も基本的に粘土(質)+長石(ちょうせき)+珪石(けいせき)が含まれています。この3つの要素はどれが欠けても素地として成り立ちません。

 

粘土質は形を作るのに必要です。粘土は水を加えると粘りけが増し、熱を加えると固まる鉱物の集まりとされています。そして、いったん指で曲げれば指を離しても粘土はそのままの形に留まります。この「柔らかい + その形を保つ」ことを可塑性(かそせい)があると表現します。

 

一般的に陶器の素地は可塑性が高く、磁器のそれは可塑性が低いです。素地の中に粘土質が30%以上は含まれていないと、土が崩れてしまって成形することは困難です。

 

長石は地球上の岩石にほぼ確実に含まれるほど一般的な鉱物です。長石は粘土素地の隙間をつなぎ、珪石を熔かす媒熔剤であり、長石自身も熔けてガラスの材料となります。

 

珪石もガラスの主要な材料として広く知られています。身近な例では砂粒に含まれることが多いです。単体ではなかなか熔けませんが、長石が熔かす役割を持つおかげで、1,000℃〜1,200℃くらいの温度帯で熔けてガラスになります。

 

陶器と磁器において、割合はおよそこのようになります。

種類 粘土質(成形) 珪石(ガラス) 長石(媒熔剤+ガラス)
陶器 50%(土由来) 30% 20%
磁器 30%(石由来) 40% 30%

長石と珪石は1,200度ほどで熔けてガラス質にかわります。そして素地のなかの隙間をガラスで埋めてくれるため、硬度が増して水も漏れにくくなります。この表をみれば磁器のほうが陶器よりガラス質が多くなることがわかります。

 

この割合の違いから特徴も異なってきます。

 

 陶器と磁器の特徴

種類 吸水性 透光性 硬度 打音
陶器 あり なし 磁器より柔らかい 低い
磁器 ほぼなし あり 陶器より硬い 高い

 

陶器の雰囲気と質感はよりやわらかいものとなります。素地も多孔質でざらつく感触もあるでしょう。一方、磁器はより涼しげな印象と滑らかな器肌が特徴となります。

陶器と磁器

左側手前から粉引盃・緑釉湯呑み・小鹿田一輪挿し(全て陶器)。右側手前から青磁盃・白磁湯呑み・白磁一輪挿し(全て磁器)。およその空気感の違いが見てとれます。

 

陶器は土の割合が高いため、目に見えないほどの細かい隙間がたくさんあります。そのため空気が断熱材の働きをし、熱を通しにくくなっています。

 

それとは逆に、磁器はガラス質がおおく熱を伝えやすい特性があります。ガラス質で緻密な素地であれば、空気の入り込む余地はほぼありません。磁器の場合は中身と表面に断熱材である空気が少ない。つまり磁器は熱が伝わりやすいということを意味します。

 

これは実際にプラスチック製のコップと、ガラスのコップに温かいお湯を注いでみるとよくわかります。

 

断熱性を高めるため、プラスチックには目に見えないほどの気泡がたくさん閉じ込められています。気泡は光や熱を遮り、透明度が下がるので曇って見えますね。これを陶器に例えます。

 

一方、ガラスのコップは気泡がほぼ無いので光や熱を通します。そして透明なので向こう側が透けて見えます。これは磁器に例えられます。

 

両者にお湯を注ぐとどうなるでしょうか?プラスチック(陶器)は熱を通しにくく、いったん温まると冷めにくいです。ガラス(磁器)はすぐ温まり、外気によって冷めやすいことが分かります。熱湯であればヤケドする危険性もありますね。

 

さて陶器と磁器に話を戻しましょう。たとえば同じ厚さの湯飲みに茶を注いだとします。上記のことから陶器は「徐々に温まり、その後も冷めにくい」、磁器は「熱しやすく冷めやすい」とまとめられます。

 

陶器と磁器の違いは一言でいえば原材料の違いです。そこから陶器・磁器の特徴が自然と生まれてくるのです。

 

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