下絵と上絵

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下絵と上絵

 

 下絵付と上絵付

下絵(したえ)とは釉薬の下に絵を描いて「高火度」で焼く事をいいます。たとえば下の画像では藍色の呉須で下絵が描いてあります。うつわを見ると白い素地と藍色の下絵、赤絵と金彩(上絵)という構図です。

 

実際には素焼き(600℃〜800℃)したうつわに呉須で絵を描き、透明の釉薬をかけて高火度(1,200℃〜1,300℃)で本焼きします。酸化コバルト等を含む呉須は1,200℃くらいの高火度にも耐えられるので問題なく焼成できます。

 

下絵付と上絵付

 

いっぽう上絵(うわえ)とは釉薬の上に絵を描いて「低火度」で焼きつける事をさします。本焼き後は白い素地と藍色の絵が描かれたうつわが完成します。その器面に赤絵具と金彩で絵付けを施します。そして素焼き程度の低火度(600℃〜800℃)で焼きつけます。

 

なぜ低火度かというと、金彩や色絵具(この例では赤)は高温下で液状になる恐れがあるからです。

 

純金の融点は1,064℃、赤絵に含まれる酸化鉄の融点は1,566℃と高いですが、絵具にする際の混合物によって融点が下がります。したがって色絵具が液状にならない低火度で焼成することになります。

 

色絵ものや金銀彩は、電子レンジ使用不可となっているのも高温に弱いためです。電子レンジは素地も傷めますので、色絵・金銀彩に限らず大切なうつわには使わない事です。

 

上絵は有田の染付磁器にはじまり、初期伊万里・古九谷(ともに初期の有田焼)・姫谷焼(現:広島県福山市)が三大色絵磁器として知られます。この技術が日本各地に伝播して現在に至ります。

 

 釉下彩と釉上彩

下絵は「絵付け」に限定した内容でした。しかし広い意味では釉の下に装飾したものを「釉下彩(ゆうかさい)」、釉の上に装飾したものを「釉上彩(ゆうじょうさい)」とよびます。

  • 釉下彩:「下絵付」。素地と異色の土をはめ込んでから透明釉をかけて焼く「象嵌」。黒土に白い化粧土(色は一例)を塗ってから透明釉をかけて焼く「刷毛目」、酸化銅で加飾して透明釉をかけて還元焼成する(=赤く発色する)「釉裏紅(ゆうりこう)」など。
  • 釉上彩:主に「上絵付」のこと・・・日本では色絵のことを赤絵・錦手と呼び、中国発の色絵では五彩・粉彩(ふんさい)など。

 

 参考:釉裏金彩

こうしてみると釉の「」に施したものは「高火度」で焼成。「」に施したものは「低火度」という図式が成り立ちます。しかし中には例外もあり、釉の「」に加彩して「低火度」で焼くものもあります。

 

たとえば釉裏金彩(ゆうりきんさい)がそれに該当します。釉裏金彩は素焼きした素地に金箔などを貼り付け、低火度釉をかけて焼成します。金箔は融点が低いため低火度焼成をします。

 

金箔は素地と釉薬に挟まれているため、焼成温度や釉薬などの諸条件により金が変色するなど高度な技術と経験を要します。釉裏金彩の人間国宝には吉田美統(よしたみのり)がいます。このように釉薬の上下(表裏)によって様々な加飾方法があります。

 

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