酸化焼成と還元焼成

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酸化焼成と還元焼成

 

 炎の状態

焼成中の炎には様々な変化が起こります。その状態によってそれぞれ酸化炎・中性炎・還元炎に大別されます。この炎の性質によって胎土の焼き色や釉薬の発色が変わってきます。なお、電気窯だけは基本的に酸化焼成しかできません。

 

これらの状態を例える上で、ロウソクの炎が分かりやすいと思います。ロウソクの中心は青く暗い炎で、中性・酸化状態に向かって色が明るくなります。酸化炎は外側の空気に触れるため酸素が十分ある炎です。それに対して還元炎は内側で酸素が乏しく青白い炎となります。

 

炎の状態

 

つまり酸化焼成は「十分な酸素が供給された完全燃焼状態」であり、還元焼成は「酸素が乏しい不完全燃焼状態」といえます。

 

これを薪窯に当てはめると、薪をくべる焚口周辺が還元状態、奥に進むにつれて酸化状態といえます。薪をくべれば燃焼の際に酸素を消費して還元気味になります。そして薪が燃え尽きれば酸化状態に戻っていきます。

 

たとえば単室の穴窯だとすれば図のようになります。※ロストル・ダンパーがない穴窯もあります。

 

酸化焼成と還元焼成_半地上式穴窯

 

 

まず焚口とロストルから酸素を取り込んで薪が燃えます。炎の熱は天井にあたって床に向かって降りてきます。そして熱風は螺旋状にうねりながら、傾斜に沿って煙突の方向へと流れていきます。

 

図のダンパーで空気を遮断すると内部の圧力が増し、焚口とロストルからの吸気が滞って酸欠(=還元状態)になります。逆に全開にすれば、煙突から熱が抜けるので焚口からの吸気が進んで酸素が入ってきます(=酸化状態)。

 

窯焚きをみせてもらうと、焚きはじめから素焼きの温度あたりまでじっくりと酸化状態で焼きます。ダンパーは開けっ放しで薪をゆっくり投入しています。

 

それ以降はダンパーを絞って頻繁にいじる必要はありません。実際には微細な加減ができる空気調節穴が、ダンパー付近に設けてあります。このように酸化・還元焼成の調整を行います。

 

還元で焼きたい作品は手前、酸化ならば奥の方に置くなど窯詰の目安にもなります。ただし窯の天井と床の温度差、場所による炎の強弱、作品・釉薬ごとの耐火度など様々な要素があります。

 

窯の構造や種類、作り手によって窯詰め方法は千差万別でしょう。図のような単純な話ではありませんが、酸化・還元のイメージはこれで十分だと思います。

 

 酸化焼成と還元焼成による違い

さて、酸化と還元では釉や土の色もそれぞれ違ってきます。たとえば銅釉を酸化で焼けば緑色になりますが、還元焼成ならば赤くなります。銅釉が焼き方によって緑釉にも辰砂釉にもなるわけです。

 

また市販の白ロット土を酸化焼成すると白くなりますが、還元ならば灰色に焼き締まります。このように焼き方によって作品が大きく変わってきます。

 

また、酸化炎・還元炎ともに最終的には1,200℃をこえる高温になりますが、還元状態だと酸欠によって温度が上がりにくい傾向はあります。ここで薪を投入すると酸素が欠乏して更に温度が上がらなくなります。薪がきれいになくなり、くすんだ還元炎が澄んでくるのを待ちます。

 

つまり酸化炎にもっていくならば薪がほぼ燃えきってから投入します。還元炎にするなら薪が適度に残った状態を保ちます。強く還元がかかると煙突からは黒煙が、のぞき穴からは炎が噴き出してくるので分かります。

 

釉薬・胎土に影響が出始める900〜1000℃の段階で、あらかじめ決めておいた状態(酸化か還元か)にもっていきます。こうした工程を経て多種多様な作品ができあがります。

 

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