天目形 | てんもくがた

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天目形 | てんもくがた

 

 「天目」の由来について

天目(てんもく)とは椀の一種で、茶を飲むための天目形の容器を指します。天目形の特徴については後述します。

 

もともと「天目」といえば「天目形の茶碗(容器)」を表わしましたが、現代では茶碗以外にもぐい呑みや汲み出しなど小型の作品もあります。

 

よって茶碗であれば天目茶碗、小型の作品ならば天目ぐい呑み・天目杯などと呼び分けることもあります。

 

そもそも天目の名の由来はどのようなものでしょうか。

 

これは中国浙江省北西部にある「天目山」から来ています。天目山は、竜王山・東天目山・西天目山などいくつかの峰から構成される山地で、仏教信仰の中心地のひとつであり、茶の名産地として知られます。

 

その中の東・西天目山の頂上にはそれぞれ池があり、その池を天の方を向いた「目」に見立てて天目山と呼ばれます。そして日本からの留学僧たちが天目山の容器を持ち帰ったのが「天目」の語源(14世紀の文献に初出)となりました。

 

また禅の修行において、茶は眠気を覚ます良薬として用いられた歴史があります。したがって天目山は仏教と禅のみならず、茶の聖地としても歴史ある名勝として知られます。

 

つまり天目山は仏教と茶の聖地であり、持ち帰った容器は重宝されたはずです。そして村田珠光によるわび茶以前は、天目茶碗の格は絶対的なものであったと思われます。

 

実際に中国渡来の天目を模した、中世の「瀬戸天目」などは唐物茶碗に対する憧憬の証といえるでしょう。

 

 天目形について

さて、天目山から持ち帰ったうつわは、特徴的な形をしていました。外観上の特徴は以下の通りです。

  • 高台が低く小さい
  • 高台回りは土見せ(施釉していない事)
  • 器形が漏斗(じょうご・ろうと)状に開いている
  • 口縁部に近づくと一旦すぼまり、そこから外に反る鼈口(すっぽんぐち)

天目形

天目形は横から見るとその形状が分かります。漏斗のように直線的に開き、鼈(すっぽん)の口のようにいったん内側にすぼまります。そして口縁にかけて外側に反る端反りになるのが特徴です。

 

なお天目茶碗は高台が小さく不安定なため、「天目台」という土台に載せて使用する事もあります。天目台は漆ものが多く、画像検索すると様々な作例を見ることが出来ます。こうした使用例は現代も行われるほか、中世の什器目録にも記されています。

 

また「天目」という呼称のほか「建戔」(けんさん)と呼ばれることもあります。これは中国福建省の建窯(けんよう:唐〜元)で焼かれた黒釉椀(天目)のことを、窯の頭文字を取って「建」、椀の意味を持つ「戔」との組合せで表わした呼称です。

 

広義での建戔は黒釉の施された天目の総称です。そして狭義での建戔は禾目天目(のぎめてんもく)のことを指します。一般的に建戔という場合は、広く黒釉の天目茶碗を指すことがほとんどです。

 

さて日本に伝わる天目茶碗は多種多様な作例があります。たとえば曜変天目(ようへん)・油滴天目(ゆてき)・禾目天目(≒建戔)・灰被天目(はいかつぎ)・木の葉天目・文字天目など。これらはみな釉調や、木の葉や文字などの装飾によって区別されています。

 

このように名称は多岐にわたりますが、その形状は天目形とまとめることが出来ます。もちろん個体差はありますが、前述の特徴を備えた形が天目形のうつわです。作品ごとの微妙な形状の違いと、個々の釉調や装飾が楽しめると思います。

 

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