萩焼(山口県萩市)

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萩焼(山口県 萩市) JR西日本 山陰本線「萩」「東萩」駅周辺

 

 萩の城下町

萩市は松下村塾の史跡や幕末の長州藩士ゆかりの地として知られます。萩城址のまわりには江戸〜明治時代の城下町と武家屋敷があります。それらは修繕されながら美しい景観が現代に残ります。

 

萩城周辺

 

萩焼の販売店は城下町の中に点在しています。徒歩だと時間がかかるので観光がてらレンタサイクルが良いと思います。窯元は萩市のほか長門市、山口市など県内全域に分布しています。

 

 萩焼の特徴

萩焼は絵付などの華美な装飾はほぼ見られません。白萩で使われる藁灰や、透明な土灰が主な釉薬でうつわ全体の素朴なあたたかみが特徴といえます。

 

土は防府市・山口市で採れる白色の大道土を主体に、鉄分の多い見島土や金峯土(みたけつち)を混入して使います。大道土は砂気がおおく器肌の細かい砂礫や長石の粒が表情を豊かにしてくれます。

 

ちなみに粗い砂の割合が高いものを鬼萩手(おにはぎで)と呼びます。

鬼萩手_萩焼

大道土はもともと砂っぽい土ですが、さらに砂礫を加えて粗い質感を出します。釉のかかっていない部分の土味がよく分かります。

 

それに対し、水簸をしたキメ細かい土で焼いたものを姫萩手(ひめはぎで)と呼びます。

姫萩手_萩焼

姫萩手は器面のザラつきや小さな凹凸が少なく、しっとりとした質感になります。それぞれ表情が全く違うので好みが分かれるところですね。

 

また吸水性が高いのも萩焼の特色です。そのため使い込むほどに釉調に変化が現れます。こうした釉調の変化を「萩の七化け」と称します。

 

たとえば白っぽい釉調がやや琵琶色を帯びたりするわけです。作品の変わりゆく表情を楽しめるのも萩焼の魅力といえます。

 

 萩焼の歴史

さて、毛利輝元は文禄・慶長の役(1592年〜1593年・1597年〜1598年)の時期に、朝鮮人陶工である李勺光(りしゃっこう)、李敬(りけい)を伴い帰国しています。

 

毛利家が萩に入府した折、萩焼はこの二人によって1604年ごろ松本村(現 萩市)に開窯します。彼らは兄弟ともいわれますが定かではありません。

 

李勺光の系譜は五代で途絶えますが、孫である山村光俊に弟子入りした九郎右衛門から現代の坂倉新兵衛(さかくら しんべえ)まで繋がります。坂倉姓を名乗るのは六代からとなります。

 

その後は深川村(ふかわむら:現 長門市)に築窯します。毛利藩の御用窯として展開し深川萩(ふかわはぎ)として現代に至ります。深川萩は坂倉家のほか坂田泥華、田原陶兵衛、新庄貞嗣が知られています。

 

いっぽう、李敬は二代藩主 毛利秀就から高麗左衛門という役職を授かり現代の坂高麗左衛門(さか こうらいざえもん)まで繋がります。坂姓は初代からですが、高麗左衛門と名乗るのは初代と九代以降となります。

 

坂家は松本村の御用窯として発展し松本萩として知られます。また松本萩の巨匠には三輪休雪(みわ きゅうせつ)が挙げられます。坂家同様、江戸期の御用窯として歴史のある窯元です。

 

また萩市椿東の小畑地区で焼かれた小畑焼(おばたやき)も重要です。松本萩においても茶陶以外の作品は小畑土を使用したといわれます。開窯は1814年ごろといわれ寿丘山窯(じゅきゅうざんがま)が創業当初の古窯として知られます。

 

一時期は磁器を焼いた経緯もありますが、多くの窯が大正末期に萩焼に移行しています。現代では天寵山窯の兼田昌尚、晴雲山窯の岡田裕、泉流山窯(せんりゅうざん)の吉賀將夫(吉賀大眉の息子)らが活躍しています。

 

このように松本、深川、小畑の系統をはじめいくつもの窯元が萩焼を作り続けています。中でも十二世(代) 坂倉新兵衛(1881年〜1960年)は大正末〜昭和初期にかけて、自作の展示をはじめ萩焼を全国に広く知らしめ萩焼中興の祖とされています。

 

また十代 三輪休雪(1895年〜1981年)は日本伝統工芸展に茶碗を出品して現代萩焼の認知度をさらに高めます。休雪白と呼ばれる純白の藁灰釉で知られます。その作風は宇田川抱青をはじめ多くの現代作家に影響を与えました。

 

十代休雪は隠居後「休和(きゅうわ)」と号し萩焼ではじめて人間国宝になった人物です。弟の十一代 休雪(1910年〜2012年 隠居後は「壽雪(じゅせつ)」)も萩焼の人間国宝として知られ兄弟そろっての認定は前例がありません。

 

美術館では萩城址内の萩焼資料館と、城下町エリアと離れますが吉賀大眉記念館(よしかたいび きねんかん)をお勧めします。吉賀大眉記念館では大正期の登窯と吉賀氏の収蔵品をはじめ、初期萩や古窯の陶片などが見どころです。
萩の古陶磁

 

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