陶芸教室との出会い
スポンサード リンク

陶芸教室との出会い | 焼成を学べる教室のススメ

 

 「いつか」はいつまで経っても100%実現しない

私は2014年8月から陶芸を習い始めました。自分にとって40歳を迎える節目の時期であり、4月ごろからずっとやってみたかった陶芸教室を探し始めました。今までの経験としては、小中学校の工作の授業で粘土をこねた程度ですから完全な素人です。

 

いつか陶芸をやってみたいと思っていても、そのままでは永久にやらずじまいだったでしょう。実際に20年という歳月が流れてしまいました。

 

もともと陶磁器は好きだったわけですが、鑑賞したり買って使うことと、実際に作品を作ることは全く違います。ゆるやかな曲線を描いた小壺も、作るとなれば試行錯誤を繰り返します。

 

丸っこいだけでは単調ですし、鋭角な部分が欲しくても土が動きません。描きたい文様やイメージは十分にあっても、ヘラの力加減や彫りの深さが、どのように反映されるかさっぱり見当がつかないのです。そして簡単そうにみえる形や口作りも、はじめは全く思うようになりません。

蹲_信楽

初めて作った蹲(うずくまる)。信楽の黄瀬土、七輪窯と鞴で焼成

 

しかし実際に成形できてしまうと、自分が素人であるがゆえに、未経験の人の気持ちも分かりながら教えられるようになります。未経験の友人は私が何日もかけた内容を2時間でマスターできました。

 

これは素人である自分がつまづいたポイントを体験し、うまく行った方法を同じ目線で教えたからです。そのポイントを教えなければ、面白いように何もできないままです。まず失敗してもらうことが大切で、その後に教えるとあっさり覚えてくれます。

 

そして鑑賞するさいの感覚や技法を見る目がガラッと変わりました。普段通りただ作品をみているのと同時に、コテと手回しロクロで作っている光景がイメージできます。これは今までの机上の知識に、少しだけとはいえ実体験が伴うということです。

 

「いつか原土成形から焼成までしてみたい」「いつか趣味でサイトを作りたい」と思っていても、考えていただけでは絶対に実現しないのです。

 

 行動すれば必ず成果が出る

たとえば様々な資格試験やスクール、もっと身近な例であれば、部屋の掃除やオフィスの整理整頓でも同じです。一度はじめてしまう、もしくは一旦申し込めばやらざるを得ない状況になります。そうするとはじめた結果と成果が必ず出てきます

 

私は陶芸をはじめて(=行動)作品の見方が180度変わりました。それをきっかけに、物足りなさを感じる陶芸品を全て手放しました。自分で作陶すると陶磁器を見る目はより細部まで届き、より厳しくなっていきます(=成果)。

 

そしてサーバーとドメイン契約して、とりあえずサイトを始めた結果、いつの間にか様々な知識を身に付けました。知識だけでなく問合せのなかで応援して下さる方、逆に厳しいご意見もいただき、これらがみなサイトを続けるモチベーションになります。何かを改善するきっかけにもなります。

 

また、部屋を整理整頓をすれば処分した物は当然なくなります。いったん掃除(=行動)をはじめると、いつしか夢中になっている自分に気付きます。面倒くさいと思いながら掃除機をかける、あくびをしながら窓を拭いているうちに、携帯の振動音や音楽も忘れて一心に掃除をしているのです。

 

そして部屋がすっきりすると、記事のアイデアが急に浮かんだり、行き詰った公私の案件が一気に整理できてしまうこと(=成果)もあります。これは本当に不思議なもので、「ただの掃除」がなぜ他の事にまで良い循環を生み出すのか、私にはこの理由がはっきり分かりません。

 

いずれにせよ、こうした行動と成果、成果によってまた行動するサイクルは、身のまわりのあらゆることに共通することです。最初は面倒でもいったん始めてしまえば必ず成果が出ますので、いつの間にか夢中になっている自分に気付きます。

 

仮に思わしくない成果が続けば、根本から修正するか、自信をもって納得のうえ辞めればよいのです。

 

私が一番悔やんでいるのは、いつか始めようと先延ばしにし続けていたことです。この話は必ずしも陶芸に限りません。一度だけの体験でもよいので、興味のあることから順に「まずは体験してみる」ことをお勧めします。

 

 私が陶芸教室に通う理由

掃除の話など陶芸から脱線してしまいました。私が陶芸をはじめるにあたって、はじめ独学でやるか陶芸教室に通うか迷っていました。

 

結果的に教室に通うわけですが、その理由は2つあります。ひとつ目の理由ははじめに焼成を体験したいということ。次に原土の採取から出荷直前の状態まで全ての事を一通りやってみたいという理由からです。

  • 焼成を学びたいが窯が無い・・・教室になら窯とノウハウがある
  • 一通り実践したいがやり方が分からず窯も無い・・・同上

独学でやるならば書籍などを参考にして、粘土さえ用意できれば成形・削り・施釉などはできます。つまり大多数の人たちにとって本と粘土があれば焼成以外は体験できます。

 

しかし陶磁器ができる最も重要な要素、すなわち焼成については窯が無いと体験できません。そこで実際に窯があって、窯詰や焼成をやらせてくれる教室に通うことを決めました。

 

結果的に焼成を体験できただけでなく、おそらく独学であれば長期間悩んだであろう、成形・削り・乾燥の基礎をはじめの一か月(3時間×8回)でじっくり学べました。講師はそのキャリアの中で、試行錯誤と失敗を繰り返し、努力した結果やっと身に付けたノウハウがあります。

 

そのつまづいた経験から、私のような初心者にもわかりやすく教えてもらえたのです。実際に優れた講師は難しいことを簡単に教えてくれます。簡単なことは更に簡単に教えてくれます。そして後は実践して失敗した箇所を修正してもらえば、短期間で一通りの作品が作れるようになるはずです。

 

簡単な事を無駄に難しくする講師。極端な秘密主義の教室は論外ですので即退会しましょう。何も身につかなければ、仮に月謝が安くても勿体ないですし、通い続ければ講師も現状に甘んじます。逆にさまざまな事が学べる環境であれば、仮に割高であっても納得して通い続けることが出来ます。

 

そして実際に全てできる環境であれば、自分のやりたい事を絞っても対応してもらえると考えました。大は小を兼ねているのです。逆に決められた粘土で成形しかできない教室があったとします。削り・施釉・焼成は講師が代行して行う教室も実際にあります。費用だけみれば割安な傾向にあります。

 

しかし、これでは釉薬を作ってみたい、焼成を自分でやりたい、色んな土を使ってみたいと、興味が広がると物足りなってきますよね。そこで個別に相談して別途指導を受けるか、実践できる教室に移るか、可能であれば自宅に設備を用意することになります。または体験した結果、陶芸を辞めるという選択肢もありえますね。

 

このように自分の要望に合った教室を探すのはなかなか大変です。しかし条件が揃えばまたとない有益な場となりえます。自宅から通える圏内で、複数の教室見学をして比較検討してみると良いでしょう。教室の雰囲気と講師との相性も非常に大切です。

 

【陶芸教室の選び方】

  • 作りたい作品を決めておく:その教室で自分が何を作れるかは、生徒の作品を見せてもらえば分かります。その講師が指導した結果、作品ができるからです。作りたい作風については、図録や写真など見本をみせて相談すれば、出来る事・出来ないことを答えてもらえるでしょう。
  • 費用総額を教えてもらう:月謝の他にかかる費用の合計です。粘土代、焼成代、釉薬代、電動ロクロの使用料などが主なものです。
  • 授業時間を確認する:ここはかなり重要です。実際に粘土を練ったり水分量を調節するなど、作陶するまでに準備時間が必要だからです。後片付けも考えれば30~40分はすぐに経過します。説明や指導状況によっては20~30分もあっという間に過ぎていきます。純粋な作陶時間だけで1.5h~2hは確保できる教室が望ましいです。でないと作品がなかなか出来あがりませんし、作陶時間が少なければ上達も遅れます。

このように内容をよく吟味して、単純な金額だけで判断しないことです。月謝と諸費用を合計して時間数で割れば、1時間あたりの費用も出てきますね。

 

もちろん予算を大きくオーバーしては困ってしまいます。ですが同じ金額の教室を比較するのであれば、やりたいことを実践できる環境が最も大切です。

 

あとは授業時間とクラスの人数を聞いて参考にします。もちろん生徒数が多くなれば講師の指導は分散します。一人の講師に対して生徒3人~5人くらいが適正でしょう。10人を超えると一人の講師では対応できないと考えます。

 

私は基礎を集中的に学びたい旨、その後は自由製作したいと伝えました。一か月は基礎をカリキュラム制で教えてもらい、その後は自由課題で自分の作りたい古陶磁(冒頭の画像や楽茶碗など)に挑戦しました。

 

自由製作の場合、やりたいことが曖昧だと講師側も困ってしまいますね。いっぽうカリキュラム制では、みんなで同じものを決まった期間内に作ります。私の場合は作りたいものが具体的にあったので、カリキュラム制ははじめの段階だけで、その後は必要ありませんでした。

 

このように合う・合わないが当然出てきますので、自分の条件と要望をはっきり伝えましょう。どの教室も親身になって相談に乗ってくれるはずです。

 

 

陶磁器お役立ち情報 トップページへ

 
スポンサード リンク