原土のテスト1/3:テストピースと素焼き

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原土のテスト:テストピースと素焼き

 

 原土のテスト項目について

採取した原土はまず成形できることが大前提です。その上で試し焼きをする「テストピース」を作ります。テスト内容は以下の3項目です。

  1. 耐火度:どのくらいの温度まで耐えられるのか
  2. 収縮率:成形して焼いた後、どのくらい縮むのか
  3. 釉の発色:原土と釉薬の相性と色見

たとえば1,200℃で焼成することを想定した場合、複数のテストピースを作ります。テストピースの大きさと形は用途によって変えていきます。

 

そして最初の状態(寸法)を記録して、後で識別できるようにスタンプまたは道具で文字を書いておきます。(釉薬を使わない場合、目標の温度で焼けば耐火度と収縮率がわかるのでテスト終了です。)

テストピース各種

  • 板状のもの:縄文(時代と思われる)原土を「J」。某Oさんからいただいた原土は「O」のスタンプを押す。正方形の「J」はひとつなのでスタンプは省略。
  • ぐい呑み:一番手前が乾燥前の「O」。「J」単味のものは「J0」、左回りで「J」80%・50%・30%(信楽ロット土とブレンド)。

信楽ロット土は市販のもので1,200℃程度まで問題なく耐えられます。「J」の耐火性が低いと跡形もなく熔けてしまう可能性もあるので、万が一に備えて無難なロット土と混ぜておきます。「O」は貴重な粘土なのでロットと混ぜず節約しています。

 

画像のケースではぐい呑みが作れればよいのですが、たとえば径が15cmの皿を作りたいとします。

 

その場合は乾燥・焼成で計20%縮むと仮定して、18〜20cm程度のテストピースを作っておけばよいと思います。厚さは実際に作る皿の厚さにしておきます。このように作りたい作品に合わせたテストピースを用意するのも有効です。

 

 テストピースの乾燥

乾燥期間は湿度と温度に左右されます。したがって季節によって変わりますがおおむね一週間程度の乾燥で十分でしょう。

 

ただし急な乾燥は収縮とひび割れをおこします。直射日光をさけて、風通しが良い場所も一方から風が吹く場所はよくありません。うつわ全体が均一に乾燥する状態が望ましいです。

 

たとえば透明なラップでくるみ陽の当たらない場所に安置すればよいでしょう。これで急激な乾燥をさけて内部状態が視認できるうえ、一方向からの風の影響を受けなくなります。

 

「急激な乾燥をさける」といっても分かりにくいと思います。そこでラップでくるんで丸2日間で表面が乾く程度をひとつの目安にします。ひびが入りやすい土や大物はプラス1〜2日程度と考えてよいです。内部はまだ水分量が多いのでそのまま5日(計7日間)ほど放置します。

 

 素焼きと注意点

今回は電気窯で700℃まで温度を上げて素焼きします。本焼成ではないため、窯詰めはピースが窯の内壁に当たっていなければ適当で問題ありません。

テストピースの窯詰め

隅にかたよらない程度に配置します。板状のものは重ねて問題ありません。

 

焼成時間は約90分で室温17℃から655℃まで上昇。655℃から6分程度で目標の700℃に達しました。ここから1日放置して徐冷します。
テストピースの焼成グラフ
開始から60分 窯の温度が400℃で横ばいになった時点で、電気窯の出力を上げて焼成しています。ピースが小さいので早めに温度を上げていますが、作品が大きい(=総水分量が多い)場合は緩やかに温度を上げていきます。つまり焼成時間が延びて、温度グラフは緩やかな上昇線を描くことになります。

 

素焼きの注意点はまず作品に含まれる水分による「水蒸気爆発」です。水の沸点である100℃を超えると水分が蒸発しはじめます。作品のおよそ表面の水分蒸発は、窯の温度が150℃〜200℃くらいでおこります。内部の蒸発は作品の厚みによりますがおおむね350℃前後でしょう。多少の温度幅をみて100℃〜400℃くらいが最初の峠です。

 

次の関門は「珪石分の膨張」です。簡単にいえば粘土に含まれるガラス質が573℃で膨張して破損しやすくなります。窯の温度=作品の温度ではないため、窯の温度が600℃くらいがひとつの目安です。よって400℃〜650℃あたりが第二の峠(=割れやすい)といえます。

 

水蒸気爆発・珪石の膨張ともに窯の温度をゆるやかにあげていけば避けられます。これは粘土内に過剰な空気が閉じ込められていないことが前提となります。10cm四方の作品ではさほど気にする必要はありませんが、大きな作品は水分が抜けにくい(水分量が多い)ため温度の横ばい状態を保つ頻度がふえます。

素焼き後のテストピース

素焼き後のテストピース。ぐい呑み型ピースの表面には石はぜも確認できる。

 

素焼き後は焼粉が表面についています。これは釉薬を吸い取る妨げになるため、筆できれいに落としてから施釉する工程に続きます。

 

次のテスト工程へ:施釉

 

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