水簸土(すいひつち)とは

スポンサード リンク

水簸とは

 

 水簸について

水簸(すいひ)とは粘土の精製方法のひとつです。採取した原土(げんど)を水でかき混ぜて余分なものを取り除く作業のことです。

 

水簸の利点としては小石などが取り除かれて、きめ細かい土になるのでロクロ成形がしやすいです。欠点としては土の成分が水に熔け出して、本来の土味が失われることもあります。アルカリ分など作陶に有害なものも熔け出る一方、鉄分などその土独自の成分も水にある程度は熔けだしてしまいます。

 

優等生の土(水簸土)で作業をしやすくするか、ちょっとアクが強いが面白い土(はたき土)で作業をするかで分かれることろです。

 

 作業概要

自然状態の粘土には砂や石、落ち葉やごみなどの不純物を含んでいます。これをふるいにかけてバケツなど容器のなかで水と撹拌します。

 

もしくは容器を2つ用意(たとえば容器A・容器Bとする)します。容器「A」で水でかき混ぜた後、もう一方の容器「B」にふるいを通して移す場合もあります。ただし粘土の粒子が細かくなればなるほど、粘土は滑らかになりますが個性は失われてしまいます。

 

土本来の持ち味を少しでも残したい場合は、ふるいにかけず少量の水で撹拌したらごみをすくい取る程度にしておきます。

 

逆にアクの強い個性はさておき、きめ細かい肌の作品を取りたい場合は目の細かいふるいにかけます。たとえば「50目のふるい」でしたら網目のサイズは0.6mm、「100目のふるい」ともなれば0.3mmのサイズとなります。

 

工程ははたき土と重複する点もありますが、砕いた原土を水で練るのが「はたき土」、水でより細かくろ過するのが「水簸土」となります。

 

イメージとしては「はたき土がつぶあん(=不純物が多い)」で「水簸土はこしあん(=不純物が少ない)」となります。
(参考ページ : はたき土とは

 

各工程に関する注意事項は文章で記載します。

 1.土を砕く(=はたく)

完全に乾燥した原土を木づちで粉砕します。細かくしておかないと水と混ぜたときにかたまりが出来てうまく水に熔けません。小さなかたまりもできるだけ細かく砕いておきます。かたまりを木づちですり潰しようにするとより細かく砕けます。

 

 2.ふるいにかける

好みのサイズのふるいを用意します。前述のとおり土味を残したい場合はこの作業を省きます。動画では参考までにメッシュの調理網でふるいにかけた映像を入れています。実際にはその後に不純物も一緒に混ぜてしまいました。粘土に適度な滑らかさを持たせながら今回は土味をいかしたいからです。

 

 3.水と混ぜて撹拌する

最初にバケツに水を注いでから粘土を少しづつ入れていきます。もちろん量が多くなればバケツでは間に合いませんので、ドラム缶やコンクリート製の桶など適宜用意する必要があります。

 

土を先に入れると水が染みわたらないところが出てきますので注意します。ヘラで十分にかき混ぜるとごみが浮いてきますので取り除きます。これを数回繰り返したら1〜3日ほど安置しておきます。

 

浮いてくるごみはこれでなくなりますが、下に沈んだ小石は水簸作業が終わってから取り除きます。地道な作業ですが適度な大きさの小石は作品に石はぜなどの表情を与えます。「後で小石を取り除くのは面倒!」という場合は土味は考慮せず目の細かいふるいにかけます。

 

 4.うわずみを捨てる

数日のあいだ放置したあと、粘土はバケツの底に沈んで水と分離した状態になります。分離してからうわずみだけ捨てて下さい。「ただの泥水でしょう?」と思いがちですが、土色の水には粘土粒子がたくさん含まれているからです。くれぐれも大切な粘土粒子を流さないように気を付けます。

 

そして、うわずみ水を捨てたら素焼きの鉢に粘土を移します。なぜ素焼きの鉢かというと、適度な硬さでありながら多孔質で吸水性が高いからです。粘土の量と湿度によりますが1kg程度ならば1日置いておけば十分乾いてしまいます。

吸水後の水簸土

鉢に水を吸わせて粘土が適度な固さになったら大きめの石を取り除きます。水簸の場合、粘土は水に浸かっていたわけで荒練りはほぼ必要ありません。大まかにまとめてビニールで包んでから水分が飛ばないよう貯蔵します。

 

その期間は最低でも数か月間、おおむね3〜5年程度が妥当と思われます。この貯蔵によって土は粘りけを増して粘土らしくなっていきます。

 

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 

陶磁器お役立ち情報 トップページへ

 
スポンサード リンク

サイトマップ
TOPページ 当サイトについて お問い合わせ