黒唐津

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黒唐津と黄唐津

 

 黒唐津:色のバリエーション

黒唐津(くろがらつ)は黒〜茶褐色に発色した唐津焼の一種です。この黒色は鉄分を含んだ鉄釉(てつゆう)が用いられますがその色調はさまざまです。

 

その黒色は朝鮮唐津で使われる飴釉(あめゆう:褐色に発色する鉄釉の一種)の例が分かりやすいでしょう。黒色の中に茶褐色・黄褐色を呈する複雑な色彩があります。一概に「黒」と言い切れない深い色調が黒唐津の特徴です。

 

ただ仕組の話をすれば、釉薬の中に含まれる鉄分が10%前後であれば黒く発色します。これは鉄釉の話につながります。(参考ページ : 鉄釉陶器と石黒宗麿

 

仮に鉄の含有量が少なく1%〜2%だったとします。これは酸化焼成で黄瀬戸のような淡い黄色(黄唐津)、還元焼成で緑〜青磁色(青唐津)という分類にもなります。逆に鉄分量が10%を超えれば柿釉や鉄砂(てっしゃ)のように赤褐色にも発色します。

 

これらはみな鉄分量による発色の違いです。黒唐津は鉄分量が10%前後の黒系の発色で、黄褐色(黄唐津)・飴色・柿色を含むこともあります。しかし鉄分が少なく発色も異なる青唐津とは明確に区別している場合がほとんどです。

 

 黒唐津の作品

この作品は鉄釉をかけて焼かれたものです。釉を厚がけして本焼成を二回行っているためかなり焼き締まっています。表面には炭化した黒釉の縮れがたくさん出ています。

黒唐津

器肌にはほとんど艶がなく、ザラついた感触と深みのある黒が出ています。大小の釉薬の縮れがうつわ全体の景色になっています。水をくぐらせるとより落ち着いた色調の中に紫がかった色合いも見てとれます。

 

選ぶさいは手取り・黒系の発色と艶の有り無しで見てみるとよいでしょう。画像の作品は黒が主体ですが、黒の中に黄褐色・飴色の混ざった作品なども面白いと思います。

 

さて、見込みをみると右上の方に黄色っぽい発色がありますね。ここは炭化した黒釉が剥がれた箇所ですが、光が当たると黄色味を帯びた色が分かります。

黒唐津の見込み

したがって釉薬を薄がけすれば、全体的に黄色味がかった釉調になるでしょう。釉薬が薄い分、素地の鉄分もこの発色に影響を与えているはずです。

 

高台回りは釉薬をかけない土見せになっています。黒釉と砂っぽい唐津の土味の対比が見てとれます。

黒唐津高台

土の目が粗いため、高台内を削った跡がささくれ立っていますね。こうしたシワを縮緬皺(ちりめんじわ)といいます。砂気を含んだ粗めの唐津土によくみられる削り跡で、織物に見られる波打った縮緬模様が名の由来です。

 

黒釉のボディが控えめな印象であるいっぽう、高台回りの土見せと動きのある縮緬皺がアクセントになっています。

 

唐津の魅力はこうした土味にあるといえます。総釉薬(そうぐすり:全体に釉薬をかけること)の黒唐津もありますが、土の個性を楽しめる土見せの作品をお勧めします。

 

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